SSDの基本的な知識を身に着けましょう! 大容量SSDは意外なメリットもあります

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SSDをアップグレードする場合、読み取りと書き込みの速度だけではなく、容量も重要なポイントとなります。皆さんも価格やスペックを見てどれにしようかな、と出来るだけ「コスパ」が良いものを選ぶと思います。「ウェアレベリング、TBW、SLCキャッ​​シュ」これらをご存じでしょうか。大容量SSDはただ容量が大きいだけではないのです。今回は速度、価格以外の観点から「コスパ」を比較するのに役立つ、大容量SSDについての意外なメリットをご紹介致します。これらを知ると、SSDを購入する際の選択肢が広がるかもしれません。
 

1. ウェアレベリング(Wear Leveling)


ウェアレベリング (Wear Leveling) データの書き換えをできるだけ均等に分散させて、SSDの寿命を延ばすための機能。

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SSDの内部はデータを保存するために沢山のセルに分割されており、そのセルの一つひとつはそれぞれ書き換え限度回数が決まっています。同じ箇所に書き換えが集中してしまうと、他の書き換えが行われていない箇所よりも先に劣化し、使用不能になってしまいます。「ウェアレベリング」は書き換えが一か所に集中しないよう、均等に書き換えが行われるよう制御し、SSDの寿命を伸ばすことができます。SSDの容量が大きいほど、均等化した書き込みを行うスペースが広い為、特定の箇所に集中して書き換えを行う可能性が低くなります。そのため、全体的で緩やかな消耗に抑え、SSDの耐久性と耐用年数を伸ばす事が期待出来ます。
 

2. 総書き込みバイト数(TBW)


JEDECの作業負荷基準によると、TBW(Tera Bytes Written)の値は、SSDに書き込むことができる総書き込み量を示します。しかしながらこれは特定のワークロード(使い方、負荷)で定義されているものであって、極端な例ですが延々と通しで書き込みを続けた場合などは参考になりませんのでご留意ください。

TEAMGROUP MP34 M.2 PCIe SSD 2TBを例として、TBWは2,000TBWのため、書き込まれるデータの総量は2,000TBであることとなります。

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基本的にはSSDの容量が大きいほどTBW値が大きくなり、SSDに書き込むことができるデータ量が多くなります。TBWの計算式については下記に記載致しました。….はい、3番に行きましょう。

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P/E Cycle (Program Erase Cycle)はNAND消去回数の限度となります。1回の書き込みと1回の消去は1 P / Eサイクルです。理論的には、SLCのP / Eサイクルは100,000回で、 MLCは5,000〜10,000回、TLCは1,000回です。各ブロック書き換えることができるサイクル数を表します。そのため、異なる容量でも、P / Eサイクル自体は同じになります。

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書き込みの増幅WAF(Write Amplification Factor) はデータを書き換えるときに行ったデータ書き込み量が、書き換え対象のデータ量よりも大きくなる現象のことです。何を言っているのがさっぱり分からないと思っているでしょう。暗記しなくてもいいです。

WAFの値は、SSDコントローラーのプロセスによって異なるため、この値は一般的なSSD仕様表には示しません。TBWを計算するときに、同じアイテムのSSDを同じ数値として設定することだけを覚えておきましょう。
 

3. SLCキャッシュ(SLC Cache)


SLCキャッ​​シュは、SSDのNANDフラッシュの記憶域をキャッシュ領域として分割し、このキャッシュ領域で疑似SLCモードによる「高速」書き込みを実現します。高速で書き込みができる待合室の様なものですね。キャッシュ用にSSDの容量を割きますが、キャッシュがいっぱいになると、書き込み速度はNANDフラッシュの素のアクセス速度に戻り遅くなります。

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ダイナミック(動的)SLCキャッシュを採用しているSSDは、ストレージ容量の約30%をキャッ​​シュとして使用します。SSD容量が大きいほど、SLCキャッ​​シュの量が大きくなり、転送パフォーマンスが向上します。例えば2TB SSDの容量は約600GBのSLCキャッ​​シュ量になると考えられます。
 

結論


以上のことから、大容量SSDは単にストレージの容量を増やすだけではなく、耐用年数や、パフォーマンスも向上させることができます。

1.ウェアレベリング機能により、偏った劣化を防ぐことができSSDの耐久性を向上させることができます。

2.大容量SSDはTBW値が大きく、書き込み可能なデータ総量が多いため、SSDの耐用年数が長くなります。

3.大容量SSDはダイナミックSLCキャッ​​シュ量が大きくなるので、高速転送を維持する事が可能です。

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